抱っこは交通違反!抱っこ紐で自転車に乗る時に知っておくべき注意点

抱っこは交通違反!抱っこ紐で自転車に乗る時に知っておくべき注意点

お子さまの送迎や買い物、子育て世代の日常に大活躍する自転車。これなしでは日々の生活が成り立たないという方も多いのではないでしょうか。

3人乗りできる子供乗せ自転車や専用シートが設置できる自転車で一定の基準をクリアしていれば、3人乗りが認められています。前後にお子さんを乗せて運転している姿は街中でもよく見かける光景ですね。そんな中、一人は幼児座席に乗せて、赤ちゃんはおんぶをしたまま走行している方を見かけたことはありませんか?筆者の私は、その光景をはじめて見たとき衝撃を受け、大丈夫なのだろうか?と心配になったことを覚えています。

お子さまがまだ小さかったり、荷物が多かったり、幼児用座席を使えないシチュエーションも想定ができます。そんな時、抱っこ紐を使っておんぶや抱っこをしたままの自転車走行は可能なのでしょうか?

法律では、おんぶ」であれば抱っこ紐を使用しての同乗が認められています「抱っこ」しながらの走行は交通違反となり、罰則が科せられます大変危険な行為ですので絶対にやらないようにしてください!

おんぶしながらの自転車走行については賛否両論ありますが、「車を持っていない」「周囲にバスや電車がない」「保育園が遠くて上の子の送迎で必要」「ベビーカーを嫌がる」など生活環境によっても子育ての在り方は様々。
法律で認められてはいますが、ルールを守った上で安全走行が確保できることを前提に、ご自身でしっかりと判断することが大切です。

本記事では、法律で定められいるルールと抱っこ紐を使用して自転車に乗る時の注意事項について詳しく解説していきます。
安心・安全な走行を実現するために、ぜひ、さいごまでお付き合いください。

1. 「抱っこ」は交通違反!「おんぶ」は交通違反ではない

抱っこ紐を使用しながら同乗が認めれている場合

  • 16歳以上の者が6歳未満の幼児を確実に紐などで「おんぶ」している
  • 16歳以上の者が6歳未満の幼児を「幼児用座席」にひとり乗車させ、もうひとりを紐などで確実に背負っている(子供ふたりの場合)

そもそもの疑問として「おんぶ・抱っこ」をしながら自転車に乗っても違反にはならないのだろうか、という点。
本章の冒頭にもあるように、抱っこは交通違反、おんぶは法律で認められています。

基本的に、自転車でのふたり乗りは法律で禁止されていますが、例外として『16歳以上の者が6歳未満の幼児を確実に紐などで背負っている場合』は同乗を認められています。自転車の種類は問わず、この条件であればおんぶでの自転車走行は認められています。

ここで大切なのが、背負っている(おんぶ)場合に限り認められているということ。つまり「抱っこ」の場合は同乗が認められておらず交通違反に値します。

やむを得ず、自転車に抱っこ紐で同乗させたい場合は必ず「おんぶ」をすることが原則です。必ず守りましょう。

1-1. 前抱っこが危険な理由

抱っこの危険性

    • おんぶよりも赤ちゃんとの間に隙間ができやすい
    • 足元など視界が妨げられる
    • バランスが取りにくい
    • 赤ちゃんが視界に入り、運転に集中できない

抱っこの方が赤ちゃんの様子がわかり、何かあった時に素早く対応できて安心なのでは?と疑問に思う方もいるかもしれません。実際に抱っこしたまま走行している方を見かけることもあります。
しかし、抱っこでの自転車走行には上記に記載したような様々な危険性が考えられます。

例え事故が起こらなかったとしても、抱っこで自転車に乗った場合は、2万円以下の罰金または過料を科せられます。

おんぶの場合は、前傾姿勢になった運転者の背中にぴったりと密着した状態になります。足元がしっかりと見えて、バランスも取りやすくなるため、抱っこに比べると事故のリスクを軽減することができるのです。

とは言え、おんぶの場合も必ず赤ちゃんの安全を守れるというものではありません。何より大切なのは、安心・安全な走行を心がけること。しっかりと交通ルールを守りましょう。

1-2. お住まい地域の道路交通法施行細則をチェック

基本は、冒頭でお伝えしたように「おんぶ」であれば自転車の同乗が認められています。しかし、道路交通法は地域によって規定が少し変わっている場合や変更されることもあります。
詳細に関しては、お住まいの地域の「道路交通法施行細則」を確認してください。

[参考]警視庁

1-3. おんぶで自転車に乗れるのは、首が完全にすわってから

おんぶ

一般的に赤ちゃんをおんぶできるのは、首が完全にすわってから首がすわっていない赤ちゃんをおんぶすること絶対にしてはいけないことです。
ましてや自転車走行であれば振動が加わり、赤ちゃんには大人が感じる以上の衝撃を与えてしまうため、大変危険な行為です。

各抱っこ紐メーカーはおんぶの対象月齢を定めており、生後4ヵ月~、6ヵ月~と様々です。しかりこれはあくまでも目安の月齢。首が完全にすわる時期は赤ちゃんによって異なります。首がしっかりとすわり安全が確認でき、且つ、使用月齢をクリアしているか必ず安全を確保してから行うようにしてください。

2. 抱っこ紐を使用した状態で自転車に乗るときの注意事項

ここからは、おんぶの状態で自転車に乗るときの注意点を詳しくご紹介していきます。大切なお子様と自身の安全を守るためにしっかりとチェックしていきましょう!

2-1. 抱っこ紐と自転車の状態をしっかりと確認してから使用する

自転車

抱っこ紐で必ず確認していただきたいのが、肩ベルトや腰ベルトが垂れ下がっていないか、ということ。長く垂れ下がったベルトが自転車のタイヤに巻き込まれてしまうと大変危険!乗車前に必ず短くまとめるようにしてください。

抱っこ紐の破損やほつれ、自転車のタイヤやブレーキ、ライトなど定期的に確認することを心がけましょう。特に、お譲りや中古で購入された方は、事前確認を入念に行ってくださいね。

2-2. 抱っこ紐を正しく装着!ベルトの調整を忘れずに

おんぶ

赤ちゃんをおんぶして自転車に乗る場合は、都度抱っこ紐のベルトの調整を行いましょう。
抱っこ紐を使用していても、しっかりと赤ちゃんの体がホールドされていなければ、万が一転倒した場合に赤ちゃんの体が抱っこ紐から飛び出してしまう可能性があります。
また、過度にキツイ状態で使用していると、赤ちゃんの気分が悪くなってしまうことがあります。
常に適度な密着度を維持することが必要不可欠です。

2-3. 子供ふたりの場合は幼児用座席が必要

自転車

お子さま一人をおんぶで乗車するのであれば、普通自転車でも問題ありません。
ただし、もう一人6歳未満のお子さまを同乗させる場合は専用座席が必要です。3人乗り子供乗せ自転車または幼児座席が設置できる自転車で、一人は必ず幼児用座席に乗せましょう。

また、平成20年6月1日の道路交通法改正により、幼児および児童(13歳未満)に対するヘルメットの着用努力義務が施行されました。
子供は大人に比べて頭が重く、体の重心位置も不安定です。転倒した際に頭部にダメージを受けやすい傾向がありますので、乗車中は必ずヘルメットを着用させて、万が一のために頭を守ってあげることが大切です。

おんぶする赤ちゃんにもヘルメット着用が推奨されています。1歳頃から使用できるヘルメットも販売されていますので、安全のために着用を心がけましょう。

2-4. 傘差し運転は違反!雨の日はレインコートを着用しよう

雨の日

傘差し運転は道路交通法違反。片手運転となり非常に危険ですので絶対にやめましょう!
また、傘を自転車のハンドルにかけて走行することも危険。自転車の車輪に傘が巻き込まれ、転倒して子供が死亡するといった過去の事例もあります。

雨の日は徒歩やバスを利用したりするなど、できるだけ自転車に乗らないようにすることが安全策です。
やむを得ず、自転車を使用する際はレインコートを着用しましょう。道が滑りやすく視界が悪くなるため、普段以上に注意して走行することが大切です。

最近、街中で見かける「傘差し固定具」。
自転車の片手運転を抑制し、交通事故の軽減を目的に販売されたアイテムですが「使用は控えてほしい」という見解も多いようです。条件付きで使用を許可されている所や固定具の取付有無に関わらず、禁止されている所もあり、自治体によって様々です。事前にお住まいの自治体に確認しましょう!

2-5. 安全運転を心がける!交通ルールを守る

道路

子供との朝は一日の中で最も慌ただしい時間。大急ぎで家を飛び出すことも日常茶飯事ですよね。

とはいえ、やはり安全が第一!

自転車は車と同じ軽車両扱いになり、通常は車道を走らなければなりません。自転車の通行事情の整っていない道路もたくさんあります。忙しい時でも交通ルールはしっかりと守り、ご自身や大切なお子さまの命を守るためにも、常に安全運転を心がけていきましょう。

3. まとめ

いかがでしたでしょうか。

抱っこ紐をしながらの自転車走行は、おんぶでもやめた方がよい、やむを得ない場面がある、など賛否両論。
筆者個人としては、おんぶでの自転車走行はできだけ避けた方が良いと感じています。しかし、やはり赤ちゃんや周囲環境などによって、どうしても使用しなければならいない場面もあることでしょう。

やむを得ず使用する場合は、これまでお伝えしてきました交通ルールや使用上の注意点をしっかりと意識しながら行って欲しいです。

また、道路交通法施行細則は改正される場合や地域によって一部異なる場合があるため、お住まいの地域の「道路交通法施行細則」を一度チェックしてみてください。

※記事内容は2022年10月現在の情報です。

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